今年3月、
原監督はチームを離れWBCの指揮をとった。

現役監督がキャンプ期間の大事な時期にチームを離れる事…
巨人軍・清武代表は、
「野球界に恩返しの為ならば仕方ない…
しかし、今年の巨人は厳しい戦いを覚悟しなければならない」
と話した。

「維新」を掲げた2009日本一奪回は、
世界一の歓喜に日本中が酔いしれる中、
原監督は帰国後すぐの記者会見で
その偉業と決別する事から始まった。

「今日この瞬間から私は巨人の監督に戻ります」と。
世界一の余韻にもう少し浸りたかった私は少し寂しかった。

「日本一奪回」…
原監督のもうひとつの目標は、
世界一の達成感に留まっては成し遂げられなかった。

あの空港での記者会見の寂しさを、
私は恥じている。


日本ハムは本当に強かった。
しかし、巨人はもっともっと強かった。

去年の悔しさをバネに進化してくれた選手達…
凡打してバットを叩きつけ、
自分のふがいなさを大事な道具にあたってしまった亀井、
バットに詫びた翌打席は、
絶体絶命のピンチに起死回生の同点ホームランだった。

5万の大観衆の期待を、
見事なドラマで終演させたキャプテン阿部慎之助、
日ハムクリーンナップのど真ん中真っ直ぐの見逃し三振こそ進化の象徴。

シンカーを見せ球にし、真っ向勝負で挑んだ内海、
勝ち星に見放されベンチで泣いたエースが、最後の最後に男になった。

そして、全ての巨人の選手達…

原監督を男にしてくれてありがとう!